広島高等裁判所岡山支部 昭和24年(を)165号 判決 1949年12月27日
被告人
久永輝治
主文
檢事及び被告人の各控訴を棄却する。
理由
辨護人控訴の趣意第一点について。
所論は共犯者の供述は、それだけでは被告人の自白を補強する証拠とすることが出來ないと主張するのであるが共同審理を受けて居ない共犯者の供述は、各具体的事件について自由心証上の証拠価値の評価判断の異るべきは当然であるが、ただ共犯者であるという一事をもつて完全な独立の証拠能力を欠くものと認むべき何等実質上の理由はない。
またかく解すべき何等法令上の根拠も存在しないのである。刑事訴訟法第三百十九号第二項の規定を援引して、かかる解釈を主張することも是認し得ない。此の点の論旨も理由はない。